アジサイの季節
6月を代表する花はなんといってもあじさいですね。
市の中心部で自宅から約4kmのところにある公園には約200mにわたってアジサイの径があります。
以前にも来ましたが、ここへくるとその当時のALS発症に伴う体の状態と心境が思い出されます。
<3年前>
右腕に力が入らないが痛みがなく、生活に支障はなかったので、年齢的なものかもしれない。
アジサイの径があることは知っていたが、毎日が忙しく見に行くまでの興味はなかった。
<2年前>
ALSと診断されて4か月が経っていた。両腕・両肩に症状があるが全てのことが介助なしでできたので、悲壮感はそれほどなかったように思う。
会社は退職していたが、自動車の運転ができたので遠出もした。アジサイの径はジョギングも兼ねて3回訪れた。
6月以外に来るとただのジョギングコースなのに、見事に咲き誇ったアジサイの花を初めて見たときは感動した。
アジサイは雨天の時に眺めるとより鮮やかできれいに見えた。
<1年前>
嚥下機能の低下が速く、8ヶ月前(前年の10月)に胃ろうを造設していた。
上肢の症状は進行して手が動かしにくくなり、自動車のハンドルを切ると肩と腕が痛くなるので、5ヶ月以上運転をしていない。この公園へは自動車で来ていたので、運転ができなくなってからは殆ど訪れていない。
この頃はラジカット治療の保険適用が1ヶ月以内に承認になるだろうとの情報が流れていた。私は1日でも早く治療を受けたい気持ちが強く、かかりつけ医やその他のルートを通じてラジカット治療の情報収集に奔走していて、元気な内に旅行もしたいと思い、この月は2回旅行(軽井沢他)をした。
気が付いた時にはアジサイの季節が終わっていた。
<今年>
下肢にはまだ障害の進行がなく普通に脚が動かせるが、肩甲骨が亜脱臼していて痛い。
7か月前より首まわりの筋肉の痩せにより、首が前に垂れるようになった。首を支えている背中の筋肉にも大きな負荷が加わり、3ヶ月位前より背中上部の筋肉が攣縮を引き起こすようになった。鍼灸の先生から攣縮は筋肉委縮の始まりですと説明があった。
最近は頚椎カラーを付けていても首がぐらつき歩行が以前のようにスムーズにはいかなくなった。
2年ぶりのアジサイの径へは地下鉄乗車と歩行でたどり着いた。アジサイのように大きな球体の花は他に見たことがないので、子供の頃は特別な花として見ていたが、今は色彩の鮮やかで美しい表情にひかれる。
毎年6月になると期待通りに見事に花を咲かせてくれる。
今更ながら自然の力は凄いと思う。
今年も見ることができてよかった。来年は見れるだろうか。
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