難病ALSと闘う inayan777のブログ

私は現在ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病と闘っています。この難病は10万人に1人と言われる原因不明の神経性難病です。今から100年以上も昔に発見された病気ですが、現在の医学では治すことができないのです。症状の進行は驚くほど速く、発症して1年3ヵ月後に胃瘻を造設して、その4ヶ月後には両肩関節機能全廃となり、身体障害者手帳3級(現在1級)になりました。介護認定も行っており要介護5になりました。このブログでは発症してから現在までの経緯や日々進行していく身体の変化、日常生活の様子、現在感じていることなどをご紹介していきたいと考えています。私は同じような難病や病気と闘っていらっしゃる方々と共にこの難病と闘い、絶対に乗り越えていこうと思います。また、この難病に少しでも関心をもってくださっている方々からもアクセスしていただければ大歓迎です。日々進行していく病気との闘いとの恐怖の中で、心だけは絶対に負けないように生きていこうと思います。ともにがんばっていきましょう!!

発症直後の頃の思い出

発症直後の5年前を思い出していました。
右腕に異変を感じてから3ヶ月が経っていましたが、右腕が上がりにくく力が入らなくなり、腕立て伏せができなくなっていました。

五十肩かもしれないと思って整形外科へ通院していましたが、右肩も少し痩せ始めているようでした。



この頃は電気部品メーカーに勤務していて総務と経理の管理を任されていましたが、担当業務も兼務していたので仕事は大変忙しかったです。
午前7時20分までに出勤し、毎晩午後9時~11時位まで会社にいました。日曜以外の休日は殆ど会社へ行ってました。


50代後半の身体にはきつかったですが、毎日6時50分頃、午後3時頃、午後6時頃と1日3回リポビタンDなどドリンク剤を飲むと身体がシャキッとしました。



日曜はスーパー銭湯へ行ったり、昼寝をして平日の睡眠不足を補っていました。こんな生活が3年位続いていましたが、風邪をひいたこともなかったので健康には自信をもっていました。


すでに難病を発症していたことも知らずに、定年までもう少しだから我慢しよう。退職して身体が楽になったら、山登り、写真、ドライブ、旅先で美味しい物をいっぱい食べることなど趣味に勤しみ、取得している国家資格を活かして事務所を開業することなどを思い浮かべながら頑張っていました。



しかし、身体の症状は徐々に進行し、この年の10月後半頃にはパソコンが少し打ちづらくなってきました。整形外科医にこのことを話しましたが、もう少し様子をみましょうとのことでした。


通院を続けて3ヶ月目に入っても症状が軽くなるどころか逆に症状の範囲が広がっているように感じたので、通院先を変えることを考えながら日々を送っていました。




この頃いつも感じていたことがありました。2年前に息子の結婚式で親族を代表して挨拶をした時に感じたことです。


親戚が一堂に会して祝福してくれて自分はなんて幸せなんだろうとこの上ない幸福感に包まれました。
その時の余韻が何日も続きました。
翌年には初孫が生まれ、嬉しいことが重なりました。

転職という人生の転機もありましたが、生まれてから何ひとつ不自由なくほぼ順風満帆な人生でした。



会社通勤は自動車でしたので、帰りの運転はよくCDを聴いて仕事の疲れを癒しました。中島みゆきさんの曲は多くは知りませんが、「時代」には心が惹かれました。


今までの人生を振り返り辛いことが多かったけれども、未来へ希望を持って生きていこうと前向きな気持ちにさせてくれる曲でした。



定年まで仕事を全うして思い描いていた人生を送るはずでした。


ところが10万人に1人か2人の確率で発症する難病を発症するとは夢にも思っていませんでした。


運命なんてわからないものですね。



近年難病の治療研究は急速に進んでいますが、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を治す薬はまだありません。この病気は発症する確率が極めて低いですが、誰にでも発症する可能性があります。


発症すると話せない、食べれない、体が動かせない、呼吸ができないという状態に陥ります。


進行の速さには個人差がありますが、全体の85%を占める孤発性ALSの場合余命が2年~5年位の人が多いです。
ALSは神経難病の中では最も残酷な病気の一つであることは間違いありません。



患者さんの中には過酷な状況にもかかわらず、テレビ、ラジオ、新聞、SNSを通じて逞しく発信されている方々が沢山いらっしゃいます。


私はALSと診断され絶望の淵に立たされた時にSNSでALS患者さん(N様)のブログを読んで励まされ、気持ちを切り替えていくことができました。今もその方にはとても感謝しています。


ありがたいことにALSの進行が遅く今も元気でいられるのは、N様他先輩患者様、医療・介護スタッフの皆様、ALS協会県支部の皆様等多くの方々の支援によるところが大きいと考えています。


多くの方々に支えられ生かされながら、微力ではありますが何かできないか考えています。自分の身の丈に合った活動でいいと思います。


まずはこのブログを通じて、1人でも多くの人にALSという病気を知っていただければ幸いです。



最後まで読んでいただきありがとうございました。