胃ろう造設手術と胃ろう交換
先週は半年に一度の胃ろう交換でした。
胃ろう造設手術から4年が経ち8回目になります。
1回目~3回目は手術を受けた大学病院での入院交換でした。
胃ろう交換は20分程度で他に血液検査、CT検査、嚥下検査があり、3日~4日程度の入院でした。
大学病院での入院生活はまだ症状が軽い時期だったこともあり、不自由なく快適に過ごせました。10階の病棟からはとても見晴らしがよく、入院回数を重ねる度に看護師さんとの再会も楽しみでした。
しかし、楽しいことはいつまでも続きませんでした。急性期病院のため病院を変わることになり、5回目からは在宅で行っています。
病院では看護師さんが付き添い、若手医師が見学に入ったりすることもありましたが、在宅では往診医が2回目以降は一人でやって下さってます。
胃ろうカテーテルを抜く時と新しいカテーテルをはめ込む時は痛むので我慢しないといけないですが、ほんの一瞬ですので体への負担は感じません。
いつもお昼過ぎに行うので、お昼(胃ろうからの経管栄養)は絶食になりますが、朝夕の食事は通常と変わりません。
胃ろうは内視鏡を使って造られたお腹の小さな穴のことで、お腹の表面と胃がカテーテルで繋がっています。
お腹の口(胃ろうカテーテル)は抜けないように、胃内固定版と体外固定版で止めています。
これだけの情報だと手術も術後の生活も大変そうでできれば避けたいと思いますよね。
ではなぜ胃ろう造設手術が必要なのでしょうか。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)が上肢、下肢の他に嚥下機能まで麻痺する病気だからです。
病気によっては一時的に胃ろうを使って経管栄養を行い、再び口から栄養を摂っている人もいますが、ALSでは嚥下機能が回復して再び食べられるようになることはありません。
呑み込みが上手くできないと食道へ流すために、気管支入口に蓋をする役目の弁が正常に働かなくなり誤嚥性肺炎を引き起こしてしまうのです。
胃ろう造設手術は口から内視鏡を入れて行うため、嚥下機能や肺活量が低下してからでは実施が難しいので、症状が軽度の段階で医師から勧められます。
私は医師から上記の説明を受けて、避けることができないと手術を決意しました。
胃ろう造設手術はわずか20分程度で終了し、想像していたよりも簡単で楽な手術でした。
患者家族交流会では診断告知を受けて間もない人もいらっしゃいますが、その中には人口呼吸器装着も胃ろう造設もやりませんと仰る人もいらっしゃいます。
情報不足だと思いますので、医師からしっかり説明を受けたり、体験者に聴くなどして正しく認識していただきたいですね。
胃ろう造設手術で取り付けられる胃ろうカテーテルですが、劣化しますので定期的に交換となります。
胃内固定版が「バルーン(風船)型」 と「バンパー型」の2タイプがあり、「バルーン型」は1ヶ月ごと、「バンパー型」は半年ごとです。「バンパー型」は「バルーン型」と比較すると交換時に痛みを伴いますが、安全性が高いので医師からは「バンパー型」を勧められました。
私の命を繋いでくれた胃ろうカテーテルです。今回初めて見ましたが、お腹表面からのかなりの深さに驚きました。
半年間でこんなに汚れるとは!
末端部がバンパーです。
8回目の胃ろう交換も無事終わり一週間が経ちましたが、トラブルもなく順調です。食べられないのは辛いですが、生かされていることの有難さとは比較にならないです。
毎日当たり前のように胃ろうからラコール、エンシュア、野菜ジュース等を入れているだけですが、しっかり健康が維持されているのは凄いことだと思います。
今回の胃ろう交換も順調で往診医の先生には感謝の思いで一杯です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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