難病ALSと闘う inayan777のブログ

私は現在ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病と闘っています。この難病は10万人に1人と言われる原因不明の神経性難病です。今から100年以上も昔に発見された病気ですが、現在の医学では治すことができないのです。症状の進行は驚くほど速く、発症して1年3ヵ月後に胃瘻を造設して、その4ヶ月後には両肩関節機能全廃となり、身体障害者手帳3級(現在1級)になりました。介護認定も行っており要介護5になりました。このブログでは発症してから現在までの経緯や日々進行していく身体の変化、日常生活の様子、現在感じていることなどをご紹介していきたいと考えています。私は同じような難病や病気と闘っていらっしゃる方々と共にこの難病と闘い、絶対に乗り越えていこうと思います。また、この難病に少しでも関心をもってくださっている方々からもアクセスしていただければ大歓迎です。日々進行していく病気との闘いとの恐怖の中で、心だけは絶対に負けないように生きていこうと思います。ともにがんばっていきましょう!!

ALSを発症してからの旅の想い出

ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症してから、「今を生きる」を実感しています。


症状が進行して次第に身体の自由が奪われていく。昨日できたことができない。今日できることが明日はできなくなってしまうかもしれない。


そう考えるとやりたいことは先延ばししない。今できることを最大限にと考えるようにしました。


診断告知を受けた直後、主治医から「まだ元気なので美味しいものを食べたり、旅行を楽しんでください」言われた時に、旅行も今の内にしておこうと考え、2年間色々な観光地を訪れました。





ちょうど2年前の11月に家内と飛騨高山へ一泊で旅行しました。この頃は身体介護も次第に増え、家内と二人で行く最後の旅行になりました。




飛騨高山は大学時代のクラブ旅行、会社の慰安旅行、友人との旅行、家族旅行など何度か訪れてますが、夏から初秋にかけてが多く紅葉が見頃の時期に一度行ってみたいと思っていました。



高山駅から中橋へは今まで歩いたことのない道を通って行きました。
途中、国分寺に立ち寄りました。
高山市内にこんな立派な大イチョウがあるとは知りませんでした。

人や建造物と比べるとその大きさがどれだけ凄いかわかりますね。

奈良時代に聖武天皇が国分寺を建立した時に植えられた木で樹齢1250年です。建造物はすべて消失しましたが、この木だけは生き残ったのだそうです。奇跡ですね。




高山観光名所の一つである中橋に到着しました。


宮川の両岸の木々が色ずいて綺麗でした。


地面がイチョウの葉っぱで覆いつくされて綺麗ですね。中橋には福が授かる言い伝えが残っています。



中橋からは古い町並みがすぐ近くですが、健常者の時の体力はなくホテルへ向かいました。


旅行の楽しみといえば景色を見たり、地元の食材を使った料理を食べたり、温泉に入ったり色々ありますが、この時は殆ど食べられなくなっていて入浴はシャワーでした。



食事は胃ろうからの経管栄養でエンシュアHをシリンジで入れました。250㏄で375kcalと高カロリーなので満腹感が充分得られます。


翌朝は北アルプスから昇る朝日を見ることができました。高山市内のホテルの部屋からの撮影です。


乗鞍岳です。


稜線の左半分が穂高連峰です。一番高く見えるのが奥穂高岳で右横に吊尾根と前穂高岳も見えます。空気が澄んでいる秋から冬にかけてでないと見られない風景です。


ズーム撮影で槍ヶ岳も何とか写りました。


北アルプスの稜線は雪で白くなっていますが、高山市内は紅葉がちょうど見頃でした。




飛騨高山旅行の1年後は首を支える筋力低下が進み、肩や腕の痛みが強く唾液量も増え、宿泊旅行が難しくなってました。

今振り返ると旅行を先延ばししなくて良かったと思います。症状が比較的軽い時に各地を旅行できたことが楽しい想い出として残っています。


身体の障害はこれからも進行して行くので、やりたいことは先延ばししない。今できることを最大限にやろう。これが私にとっての「今を生きる」です。




最後まで読んでいただきありがとうございました。