ALS患者の会について
ALSの診断を受けて3年が経ちました。2週間の検査の後家族を集めて、主治医から筋萎縮性側索硬化症と診断されたときは、これから先どんな症状が出てどういう生活を送ることになるのか説明がありましたが、余りのショックでその後のことは余り憶えていません。翌日退院しましたが、主治医より毎月通院することと当時としては唯一の進行抑制薬リルテックの処方についての説明と病院内にある地域医療センターを紹介されました。
リルテックは平均余命をわずか2か月程延ばす効果しかありませんが、ALSは発症後平均余命が5年と宣告されていたので、たとえ2か月でも必死の思いで処方をお願いしました。
これからどうすればいいのか路頭に迷っていたので、地域医療センターを訪ねて色々相談に乗っていただけるものと思っていましたが、全くの期待はずれでした。(現在は対応が良くなりました)
絶望の淵に立たされて改善策が見つからないまま帰宅した私と家内はインターネットでALSを検索すれば何か手がかりとなるものが見つからないか藁をもすがる想いでした。
日本ALS協会愛知県支部の存在を知ったのはこの時でした。早速電話をしてアポイントをとり、愛知県支部を訪ねました。二人のALS協会委員の方が温かく出迎えて下さったのを今も憶えています。
療養生活を送っていく上でかかりつけ医と鍼灸の先生を紹介してくださった他、患者会への参加を進めてくださいました。患者に寄り添おうとして下さる姿勢が嬉しかったです。不安も少しですが解消されました。
愛知県支部を訪ねた翌月に患者会があり参加しました。どんな雰囲気の会なのかいささか不安もありましたが、スタッフの方々の温かさに包まれました。運営委員の皆さんは遺族の人が多く、ボランティアで運営されていることに感動しました。参加された患者さんの中には発症7年で四肢が動かせなくても、呼吸器も胃ろうも付けてなく、発話ができる方がいらっしゃるのを見て希望が持てました。また、他の患者さんの中に偶然ですが、私の従弟の知人がみえていたのも心強かったです。この患者会は1回だけの参加でもう来られない方も多いですが、私は患者会に参加して充実感が得られて、また参加しないと療養生活に必要な情報が入手できないのではという不安もあり、2回目以降連続して参加しています。参加するたびに知っている人が増えていき、その方々から元気ですか?と声をかけてもらえると嬉しくて元気が出ますし、新しい人との出会いは自分自身の成長に繋がります。一度お会いした患者さんと2回目にお会いすると距離感が縮まっています。患者会の参加が3回目になるとスタッフの方も気心が知れているので、緊張感がなく、励ましの言葉もかけていただけるので、皆さんにお会いできることが楽しみになってきました。
患者会へはこんな感じで参加を続けていきましたところ、昨年3月に事務局長から声をかけていただき、日本ALS協会愛知県支部の一員に加えていただくことになりました。
この一年間で協会活動のイベントや講習会への参加挨拶をしたりしてきましたが、運営に加わっている唯一の患者ですから、患者としての想いを伝えていきたいと思います。絶望の淵に立たされている患者・家族を孤立化させないために様々な活動に取り組んでいきたいと思います。
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