難病ALSと闘う inayan777のブログ

私は現在ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病と闘っています。この難病は10万人に1人と言われる原因不明の神経性難病です。今から100年以上も昔に発見された病気ですが、現在の医学では治すことができないのです。症状の進行は驚くほど速く、発症して1年3ヵ月後に胃瘻を造設して、その4ヶ月後には両肩関節機能全廃となり、身体障害者手帳3級(現在1級)になりました。介護認定も行っており要介護5になりました。このブログでは発症してから現在までの経緯や日々進行していく身体の変化、日常生活の様子、現在感じていることなどをご紹介していきたいと考えています。私は同じような難病や病気と闘っていらっしゃる方々と共にこの難病と闘い、絶対に乗り越えていこうと思います。また、この難病に少しでも関心をもってくださっている方々からもアクセスしていただければ大歓迎です。日々進行していく病気との闘いとの恐怖の中で、心だけは絶対に負けないように生きていこうと思います。ともにがんばっていきましょう!!

私の好きな風景①

3月半ばに入ると大分暖かくなりました。
1ヶ月前は最高気温が5度位までしか上がらず晴天の日が続いていました。


青空が広がる日は寒くても外に出たくなります。

2月は2名介助で2時間確保できた日が晴天と重なったので外出しました。

行先は名古屋駅タワービル15階です。そこには寒くて空気の澄んだこの時期にしか眺められない風景があります。


それは名古屋からおよそ100キロ離れた中央アルプスや御嶽山です。
愛知県が晴れていても長野県や岐阜県の山々が雪で雲りの日もありますが、この日はよく見えました。


スマホで写真撮影したので鮮明ではないですが、雪化粧した山の連なりが見えますね。中央アルプスです。








最後までお読みいただきありがとうございました。

薬の吸入効果で痰吸引がスムーズになりました

先月カフアシストで血痰が出てから、吸引してもスッキリ感がありませんでした。
部屋の湿度を細目にチェックし、水分を十分摂りましたが、余り効果は表れませんでした。


往診医に相談し、毎日ネプライザーから痰を軟らかくする薬を吸入しています。



最初は効果を感じませんでしたが、徐々に変化していきました。



側臥位の姿勢をとっても痰が少量しか取れなかったのが、今は肺に溜まるとゴロゴロ鳴りよく取れるようになりました。

痰が肺に溜まると肺炎を起こしやすく、又、気管に詰まると気道閉塞を起こすのを体験し恐ろしさを痛感しています。


薬の吸入を始めたことで不安が解消され気分的に楽になりました。







最後までお読みいただきありがとうございました。

ラジカットについて

患者会の質問の中で「ラジカットは効いてますか」とよく聴かれました。当事者に聴くとよく分からないとの回答が多かったです。進行を止めるのではなく抑制する薬なので、効いてるのかわかりにくいと思いますね。



ALS患者の症状は人によって様々ですので、効き具合も差があるかと思います。(肝臓などに疾患がある方には副作用があります)

わたしの場合は発症2年経過後に開始し、気管切開するまで3年半ラジカットを投与しましたが、止めてからの進行は驚くほど速かったです。


悪化が目立ったのは手指の硬直、手のひらの突っ張り、脚の筋力低下でした。


脚は気管切開後もしばらくは200mほど歩行ができました。2階で過ごしてましたので階段を昇り降りしましたが、1年足らずでベッド上での生活になると数ヶ月で歩けなくなりました。


廃用性症候群が主な原因と考えてますが、ラジカット治療をやめたことも大きかったと思います。
今振り返るとラジカットが症状の進行にブレーキをかけてくれてたと思います。



在宅医には気管切開してもラジカットを続けられると聞いてましたが、手術先の病院では気管切開したのでもういいでしょうと言われ、ラジカットを止められてました。退院前カンファレンスでラジカット治療を継続したい旨の文書を読んでもらう予定でしたが、会議が短縮され意思を伝える機会を逸しました。
退院後在宅医にお願いしましたが、病院で認められなかったことなので翻すことはできないと言われ、妻からもラジカットは高額(公費負担)だからもういいのではと言われ諦めることにしました。




ラジカット治療は点滴投与なので、病気進行に伴い血管が次第に細くなっていき、注射針が刺しにくくなります。わたしの場合も3年目になると注射の打ち直しが増え血管が穴だらけでした。


ところが、昨年ラジカットの経口薬が厚労省で承認されましたので、年内に販売されるのがほぼ確実となりました。ラジカット治療される方には明るいニュースですね。








最後までお読みいただきありがとうございました。

わたしの2022年10大ニュース

わたしの昨年(2022年)の10大ニュースです。

① 医療スタッフの大幅入れ替え
週3日訪問看護・リハビリサービスを受けていたステーションを他の事業所に変えました。7年近くお世話になりスタッフさんも良い方でしたが、ステーションの方針が安全優先を理由にわたしの意向に沿わないことが多かったので、悩み抜いた末他社に変えました。新しい事業所様は安全優先とわたしの意向に沿ってくださり、1年以上停止していた立位介助が復活したのは驚きと感謝の言葉しかありません。



② 1年でヘルパーが20名に倍増
深夜を除く大部分を撤退した介護事業所様の空白時間を埋めるために、新たに3事業所10名のヘルパーさんが増えました。今年更に1名増えて現在週21名の方が入って下さってます。1日に5名〜7名入れ替わる細切れ介護になってしまいました。スキルに差があるので疲れますが、ヘルパー事業所が見つからない地域のことを思うと随分恵まれており時間をかけて育てていこうと思います。



③ ALS患者会3年ぶりに開催
コロナ禍で休止となっていた患者家族会が3年ぶりにzoom開催されました。進行性難病ALS患者にとって3年も経つと症状がかなり進行した患者さんが多いと思います。患者・ご家族がzoomで会えるのはかけがえのない時間です。Zoomは大企業を中心にビジネスや各種講習会等で普及しているようですが、患者家族、介護者では通信環境が整わなくて十分に普及されていないのが現状です。




④ ALS協会北海道支部の方々との交流
SNSの友達になってくださって7年のKさんからのお誘いを受けて、北海道患者会にZoom参加させていただきました。1000キロも離れた所にいらっしゃる方々とオンラインで繋がりとても有意義な時間を過ごせました。




⑤ コロナ感染したスタッフさん前年、前々年を上回る
ヘルパーさん、看護師さん、訪問入浴さんを合わせてのコロナ感染者数が前年、前々年を上回り、わたしは3回濃厚接触者になりました。介護時間に穴が開いた日もありましたが、他の事業所様の支援も受けて最小限に抑えることができました。



⑥ ゴロンに参加
フリーアナウンサーの平野さんが主催されているイベントで、毎年6月世界ALSデーに因んで行われます。会場参加者が揃って5分間仰向けで横になり、その間手足を動かさないことでALS患者の体の不自由さを体験します。名古屋が会場ですが、県外からの参加者も多いです。生きる勇気をいただいてます。ALS協会の皆さん、知人との再会もあり楽しかったです。



⑦ 脚の筋力低下が進みパソコン入力がし辛くなる
脚の筋力が低下し足を左右に動かす可動域が狭くなったので、マウス操作がし辛くなりました。足のポジショニング(トラックボールマウスのセット、足の位置の調整など)にも時間を要し、位置が定まらないまま無理にマウス操作すると脚の疲労が増大します。オーバーワークしないように心がけたいです。



⑧ 舌の短縮・肥大にショック
1月(昨年)にSTさん(言語聴覚士)が口腔運動で鏡を持って来られ、2年ぶりに口腔内を見たら想像以上に舌が短縮、肥大し口の開きが狭くなっていてショックが大きかったです。STさんは5年以上入っていただいてましたが、口腔リハビリの内容は変わらず、舌の運動の時は「いいですね」としか仰らなく新しい提案もなかったので口腔機能に大きな変化はないと思っていました。悔やんでも舌を元に戻せません。昨年から新しい事業所のSTさんに来ていただき、口腔機能の現状維持と嚥下訓練も行っています。



⑨ 花見を楽しむ
自宅から15キロ離れた所にある緑地公園へ花見に行ってきました。好天に恵まれ青空と桜のコラボレーションがとても綺麗でした。遊園地もあり家族連れが楽しそうでした。ロシアが侵攻する2ヶ月前まではウクライナでも同じような光景が観られたはずです。桜から元気をもらい平和の尊さを嚙みしめ、楽しい時間を過ごせたことを幸せに感じました。



⑩ 年末にイルミネーションを観に行く
スケジュールの中に夜の2人介助は組まれてませんが、事業所様のご厚意で1時間半駅前の夜景を観に行きました。イルミネーションがとても綺麗で良い気分転換になりました。




以上です。
寝たきりがメインの生活ですが、1年を振り返ると楽しかったことも多く平穏に過ごせたことを幸せに思います。
医療スタッフさんと介護スタッフさんのおかげと感謝しています。



上記10大ニュースは年末に書くべきでしたが、メール返信やスタッフさんとのコミュニケーションが多かったので、ブログを書く余力がなく遅くなってしまいました。次回の10大ニュースはこのようなことがないようにしたいと思います。






最後までお読みいただきありがとうございました。

北海道の方々との交流

昨日はALS協会北海道支部帯広支会のズーム患者会に参加しました。

SNSで知り合って7年になる友人のKさんはALS患者など障害者のための活動をされてます。

地域の福祉に尽力されている素晴らしい方です。


そのKさんから患者会へのお誘いを受けました。
帯広と名古屋は直線距離で1000キロ離れてますが、オンラインで交流を深め抱えている共通の課題について話し合えることに素晴らしさを感じます。


因みに昨日の患者会は以下の内容でした。
・胃ろう造設と気管切開のタイミング
・保健師の仕事
・コミュニケーションツール
・介護事情
・痛みの緩和(首の保護具など)
・ラジカット経口薬の近日発売

 などでした。


参加者は北海道内(帯広、札幌、千歳、中札内)のALS患者、ALS協会委員、保健所などの方々とわたし(名古屋)でした。




KさんとHさんの司会が見事で濃密な素晴らしい患者会になりました。

声の出ない患者へは以下の配慮をしてくださいました。
議題ごとの質問については予め指名することを伝えられました。他の方々が発言されている数分間に、わたしは同席しているヘルパーさんへ足によるパソコン操作で言いたいことを伝え、発言の順番が回ってきたら、ヘルパーさんが代読してくれました。


通常の患者会だと突然指名されるので焦ってしまい、3分位の沈黙のあとで代読される内容が短文に終わってしまいます。

今回の司会者のお気遣いには感謝の気持ちで一杯です。
そして、ヘルパーのSさんお疲れ様でした。










最後までお読みいただきありがとうございました。