ハムストリングスが短縮している
ALSを発症すると進行の速さや順序が人によって様々です。
私の場合は発症2年目で両腕が上がらなくなり、両肩関節が亜脱臼し、頚椎も症状が始まっていました。嚥下機能も低下し、胃ろう造設手術もしました。
ところが、下肢については発症4年目に入っても、症状がなく筋肉も落ちていませんでした。
足腰は高校時代にテニス部、大学時代はスケート部に在籍し、徹底的に痛めつけてきました。
社会人になってからは30代まで山登りもしてましたので、進行が遅いのかもしれない。
このままの状態を維持できるといいなあと思っていました。
下肢に症状が少しずつ出始めたのが発症5年目あたりでしょうか。
脚が攣りやすく、筋肉がピクピク動きました。後でわかりましたが、ピクピク動くのは攣縮といって筋肉が痩せていく前兆でした。
最初は太ももの表側に限定していましたが、ふくらはぎ、足の裏、腰、尻と範囲が広がっています。
攣縮は突然来るので見ようとした時には終わっていますが、一度だけトイレの便座に座っている時に見ました。
太ももの筋肉が縦20センチ位にわたってピクピク動いていました。
数ヶ月続き、気管切開に伴う長期間の入院もありましたが、退院した頃に太ももの表側の攣縮は落ち着きました。その時は随分細くなっていて驚きました。
太もも周りが10㎝位細くなっていると支える筋力がかなり低下し、膝がガクンと着て転倒しないか怖くなりました。
この病気の最大の敵は安静にしていることなので、毎日数分程度のわずかな時間でも家族かヘルパーさんに支えられて歩行し、リハビリで運動を続けてます。
どんなことになっても絶対に寝たきりにはならないように心を強く持とうと自分に言い聞かせています。
ところが、4日前の訪問リハビリで作業療法士のH先生から、「ハムストリングス(太もも裏側の筋肉)が短縮しています。前方よりも後方に転倒する恐れがあるので気をつけてください」との説明がありました。
怪我や脳血管疾患の場合はリハビリを継続していけば回復が期待できますが、この病気は回復することはありません。なぜなら筋肉が減少していく神経性難病だからです。
悔しいです。しかし、努力しても報われないと嘆いていると進行が更に早まります。
私はALS上肢型だったので、下肢の進行が遅かったのは幸運でした。
多くの人に支えられて生かされていることに感謝し、前向きに生きていくが大事だと思います。
ALSとの闘いは果てしなく続きます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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