難病ALSと闘う inayan777のブログ

私は現在ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病と闘っています。この難病は10万人に1人と言われる原因不明の神経性難病です。今から100年以上も昔に発見された病気ですが、現在の医学では治すことができないのです。症状の進行は驚くほど速く、発症して1年3ヵ月後に胃瘻を造設して、その4ヶ月後には両肩関節機能全廃となり、身体障害者手帳3級(現在1級)になりました。介護認定も行っており要介護5になりました。このブログでは発症してから現在までの経緯や日々進行していく身体の変化、日常生活の様子、現在感じていることなどをご紹介していきたいと考えています。私は同じような難病や病気と闘っていらっしゃる方々と共にこの難病と闘い、絶対に乗り越えていこうと思います。また、この難病に少しでも関心をもってくださっている方々からもアクセスしていただければ大歓迎です。日々進行していく病気との闘いとの恐怖の中で、心だけは絶対に負けないように生きていこうと思います。ともにがんばっていきましょう!!

憂鬱な夜

気管切開してから日常生活は辛いかと聴かれたら、正直辛いです。
こんなに痰が多く喉に溜まるのが早いとは想像していませんでした。




唾液は常に吸引カテーテルをくわえて吸い取り、できるだけ呑み込まないようにしていますが、垂れこみがあって20分~30分位経つと喉がゴロゴロ鳴ります。
喉から大きく息を吐くと溜まっている痰が揺れて大きな音になります。

喉に貯留しているのに感覚的には胸骨あたりから聞こえてくるのです。首の骨や頭蓋骨を伝わって耳に届く音は大きな響きとなります。



わたしは慢性副鼻腔炎とアレルギー性鼻炎の持病があり、ALSを発症して3年目位からは薬が効かなくなりました。
粘調度の強い鼻汁(びじゅう)が多いので、聞こえてくるゴロゴロ音は痰が絡んだ不快な音です。

睡眠時は2時間毎に起きて吸引です。

喉からの吸引は気切した箇所から気管カニューレへカテーテルで吸引し、次にカフ(気管カニューレ下部に付いている風船状に膨らませたもの)の上に溜まった痰をサイドチューブで吸引します。


この後口の中にも唾液が溜まっているので吸引しますが、口腔内の奥を吸引すると鼻腔が刺激を受けて、鼻汁が分泌されます。このため鼻の穴に溜まった鼻汁をティッシュで拭きとります。拭きとりが弱いと鼻汁が取れないし、拭き過ぎると粘膜が刺激されて鼻汁が多くなります。実に厄介な鼻です。


喉、口腔、鼻の処置が終わると眠りにつけますが、この一連の処置が平均で10分~20分かかります。気切や口の吸引が十分取り切れていないと1時間を超えることもあります。
夜中は上記の処置を3回行うので睡眠が細切れです。


これだけならいいのですが、先週日曜の夜中はカテーテルの吸引圧調整が上手く行かず、口から意識しながら唾液吸引をしていました。


更に両手前腕が浮腫でパンパンに腫れあがり、眠剤がまったく効かなくて眼をつむっているだけでした。




一睡もできなかった日は以前にもありますが、気管切開してからは初めてです。

喋れなくなり言いたいことが言えない状況で、就寝時も気切吸引を2時間毎に行い、唾液吸引コントロールが上手くいかず、両腕が腫れ上がり眠れないのが重なるとかなり辛いですね。


こんな夜が毎日続いたらと思うともうダメかも…..。心が折れてしまいそうでした。




そんな時、Facebookを見ていたら、ふなご靖彦さんの記事が目に留まりました。

台風15号で甚大な被害を受けた地域救済のために、東京電力へ復旧確認を求めた内容が紹介されていました。患者目線に立って適格で具体的に書かれていました。ふなごさんは参議院選挙に当選されたALS患者さんで一躍有名になった方です。
参議院議員に当選されると早速健常者ではわからないことを、障害者のために奔走して下さっています。体は全身麻痺でありながら、口にくわえたチューブを機械に繋いでギター演奏をされます。

本当にすごい方です。ご活躍の裏には私の想像では計り知れない努力があったことと思います。
ふなごさんから元気と勇気をもらいました。




両腕の腫れは今も続いていますが、リハビリで睡眠が侵されない程度に治まっています。

気持ちをリセットしてがんばらないと。





最後までお読みいただきありがとうございました。