難病ALSと闘う inayan777のブログ

私は現在ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病と闘っています。この難病は10万人に1人と言われる原因不明の神経性難病です。今から100年以上も昔に発見された病気ですが、現在の医学では治すことができないのです。症状の進行は驚くほど速く、発症して1年3ヵ月後に胃瘻を造設して、その4ヶ月後には両肩関節機能全廃となり、身体障害者手帳3級(現在1級)になりました。介護認定も行っており要介護5になりました。このブログでは発症してから現在までの経緯や日々進行していく身体の変化、日常生活の様子、現在感じていることなどをご紹介していきたいと考えています。私は同じような難病や病気と闘っていらっしゃる方々と共にこの難病と闘い、絶対に乗り越えていこうと思います。また、この難病に少しでも関心をもってくださっている方々からもアクセスしていただければ大歓迎です。日々進行していく病気との闘いとの恐怖の中で、心だけは絶対に負けないように生きていこうと思います。ともにがんばっていきましょう!!

先生に感謝

1月31日にレスパイトを兼ねて検査入院しましたが、予約していた病棟はインフルエンザ患者が出たため閉鎖となり、もう一つの病棟に入院していました。


この時期の入院は怖いですね。予定を早めて2月5日に退院しました。




今回の呼吸機能検査では動脈血採血による二酸化炭素分圧が44mmHgと最近10ヶ月ほぼ横倍でした。
二酸化炭素分圧とは何でしょうか。簡単に説明しますと口や鼻から吸い込んだ空気が送られて来る肺では、心臓から送られてくる血液に新鮮な酸素を与え、二酸化炭素を取り除く ガス交換が行われますが、このガス交換が正常に行われているかを見る指標になります。
二酸化炭素分圧の正常値は35mmHg~45mmHgの範囲内です。45mmHgを超えることは二酸化炭素が増加していて呼吸不全の始まりです。

頭痛や息苦しさなどの症状が出て、生きていくためには気管切開をして人工呼吸器を装着することになります。

私は一昨年の8月の検査では39mmHgと正常値でしたが、昨年4月の検査で46mmHgへと悪化し、その後今回を含めて4回検査を行い44mmHg~46mmHg間で推移しています。
最近10ヶ月間が何とか横倍で推移している要因としては、➀NPPV(バイパップ)装着、②カフアシスト導入、③リハビリと訪問看護で呼吸介助を徹底したことが考えられます。



もう一つの呼吸機能検査は肺活量ですが、努力性肺活量(FVC)が8ヶ月で47%➡27%と大幅に減少していました。
最近10ヶ月間の検査では50%を下回ってましたが、大きな変動はありませんでした。
呼吸機能の低下をくい止めるためにNPPV、カフアシスト、呼吸リハビリをしっかりやって、毎回の呼吸機能検査が勝負でしたが、今回の結果はコンディションもありますが、これほど落ちるとはショックを通り越して呆然としていました。

検査の翌日医師から呼吸機能が確実に低下しています。息苦しくなってもおかしくないので気管切開を考えるようにいわれました。

崖っぷちに追い込まれた気持ちになり、3月か4月に手術を受けようと考えていましたが、退院日の朝に医師が再び訪ねて来られ、睡眠時の呼吸が予想以上に安定しており、9ヶ月近く発熱がないので、ここまで来たら手術を延ばせるところまで延ばしましょうと言ってくださったのです。
4日前の話と正反対のことを仰ったので驚きました。



医師にとっては救命が第一なので、気管切開を早期に実施することが正論だと思いますが、私の医師は患者の意思を尊重し、判断して下さったのです。

気管切開をするかしないか生死を分ける場面での医師の言葉は大変重いです。
判断を誤れば責任を問われかねないので、手術を遅らせるとリスクが増える状況の中でも、延ばせるところまで延ばしましょうと言ってくださったのは患者を信用して下さっているからだと思いました。
良い先生(医師)に巡り合えたことに感謝しています。




今回の入院目的は呼吸機能検査と介護で疲れている妻を休ませることでした。
以前に2回入院したことのある病棟に入院したので、覚えてくださっている看護師さんがいてくれたのは嬉しいですね。

しかし、慢性副鼻腔炎で鼻腔や口腔の鼻汁が多く出る私にとっては口腔内、鼻腔内、喉に溜まった痰の吸引が在宅と比べると時間が短かかったので、痰で気道が狭くなり、呼吸がし辛かったり声が出しにくくとても
辛い入院でした。



レスパイト入院を振り返ると先生が後押ししてくださったことは嬉しかったです。
また、退院時に迎えに来てくれた妻は少し元気を取り戻してくれていました。
これは大きな収穫でした。




最後までお読みいただきありがとうございました。