難病ALSと闘う inayan777のブログ

私は現在ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病と闘っています。この難病は10万人に1人と言われる原因不明の神経性難病です。今から100年以上も昔に発見された病気ですが、現在の医学では治すことができないのです。症状の進行は驚くほど速く、発症して1年3ヵ月後に胃瘻を造設して、その4ヶ月後には両肩関節機能全廃となり、身体障害者手帳3級(現在1級)になりました。介護認定も行っており要介護5になりました。このブログでは発症してから現在までの経緯や日々進行していく身体の変化、日常生活の様子、現在感じていることなどをご紹介していきたいと考えています。私は同じような難病や病気と闘っていらっしゃる方々と共にこの難病と闘い、絶対に乗り越えていこうと思います。また、この難病に少しでも関心をもってくださっている方々からもアクセスしていただければ大歓迎です。日々進行していく病気との闘いとの恐怖の中で、心だけは絶対に負けないように生きていこうと思います。ともにがんばっていきましょう!!

8月の散歩

9月になりましたが、私の住んでいる街では35度を超える猛暑日が続いてます。

ヘルパーさんや訪問看護師さんからは今日も暑いですねと言われますが、常時25度前後に設定した部屋に24時間いるので外の様子がわかりません。


何日もベッドで寝たままは精神的にも良くないです。気がめいってしまいますね。


死ぬまでこのままかと思うと辛くて苦しい。気持ちがネガティブな方向へいってしまいがちですが、
わずか30分でも散歩できると気持ちがリフレッシュできます。

猛暑でもいい。

外の空気に肌で触れたい。

8月は車椅子に移乗して2回散歩できました。

移乗も外出も2名で行います。




気管切開手術をした後でも、昨年の今頃は脚の筋力があったので、ヘルパーさん1名介助でも家の中を歩き回り、段差10数センチの階段を上ってました。


しかし、今はヘルパーさんが2名揃わないとベッドで寝たままです。

車椅子移乗も外出のときもアクシデントが起きたら一人では起こせないので安全のため、ヘルパーさんがどうしても2名必要になります。


ヘルパーさんには車椅子を押してもらうだけでなく、外出時には人工呼吸器を脱着して痰吸引をしたり、口にくわえている唾液吸引チューブが外れた時は新しいチューブに取り替えてもらいます。透明文字盤で簡単な意思伝達もします。




毎日とは言いませんが、1週間に2回くらい外出したいです。


ヘルパーさん2名を揃えるには二つの条件が必要です。
① ヘルパーサービスを受けられる時間数が給付されていること
② ヘルパー介護事業所と交渉して2名入ってもらえる時間を検討してもらう


以上が条件となります。


①の条件が満たされてないとヘルパーサービスが有料になるので、家計が圧迫されます。


ヘルパーサービス時間の給付を受けられるようにするには、役所の健康福祉課で介護認定など諸手続きを経たなので、ケアマネジャーさんに任せるのがいいです。


私のヘルパーサービス可能時間数は気管切開した後、以前の倍に増やしてもらえました。


1ヶ月単位で時間数が決定されますが、ケアマネジャーさんの手腕や地域により格差ががあります。




8月の2回の散歩は夫々30分程度でしたが、それでも散歩を全くやらないのとは精神的に全然違います。






駅西まで行ったのは久しぶりぶりでした。
いいタイミングで新幹線が見れました。
手前は駐車場でしたが、リニア新幹線の工事現場に変わってました。




駅西は古い建物が解体され、新しいビルの建設が進んでます。
再開発はこれからの数年間で更に加速しそうです。




今から7年後にはここの地下にリニア新駅ができるらしいです。
信じられませんね Σ(・□・;)




まさか。リニア新駅の工事で昭和9年に創建された神社が解体されるとは⁉
どこかへ移築かもしれません。




街の中に住んでいると季節の移り変わりは感じられませんが、景色は大きく様変わりしています。




2027年開業に向けて大きな変貌を遂げる駅西です。7年後生きていたら、症状が進行してまだ散歩ができるだろうか。
バリアフリーが進化しているのを期待したいです。
どんな駅が誕生するのか是非見たいです。あと7年元気でいたいです。


昼前でも30度を遥かに超える温風の中で散歩しましたが、生きてることが実感できる貴重な時間でした。

帰宅すると
ヘルパーさんは汗びっしょりだったので、エアコンで体を乾かしアイスコーヒーを飲んでいただきました。感謝です。









最期までお読みいただきありがとうございました。

アイスクリームに挑戦

ALS発症7年で人工呼吸器を装着して1年半ですが、呼吸機能は維持されているので外しても大丈夫です。
歩行が難しいですが足が動かせます。


しかし、口からの摂取は行わず栄養はすべて胃瘻から入れてます。

SNSで知り合いのHさんは私より早くALSを発症され人工呼吸器装着も早かったですが、口から食べてみえます。

食べる量は健常者と変わらないので驚いてます。

ALS患者は人夫々と聞いてましたが、SNSで多くの患者さんを知り本当に様々だと感じました。



口から完全に食べられなくなって3年以上になりますが、食べ物の夢をよく見ます。


最近はアイスクリームを食べてる夢も見ました。




昨年11月に喉頭気管分離手術をしてからは誤嚥性肺炎を発症するリスクがなくなったので、医師から口からの摂取を挑戦してみてはどうかと言われました。


そこでアイスコーヒーを小さじスプーン半分位口に含んでみましたが、唾液が多いので味が薄められまずかったです。

呑込みも1回では流れていかないので3度ゴクンします。



疲れるので止めてましたが、濃厚なアイスクリームなら口の中で溶けて美味しく食べられないかと思い、ハーゲンダッツのバニラアイスをスプーン3口ほど含んでみました。


唇をしっかり閉じて逆流を防ぎ、縮んだ舌を口の入口から奥へ送り込んでゴクンします。


残念ながら味覚障害もあり、ハーゲンダッツバニラの味ではありませんでした。



しかしながら、喉を突き抜ける冷たさはスッキリ感がありました。



今度はチョコアイスに挑戦してみます☺







最後までお読みいただきありがとうございました。

山の日に想う

昨日は山の日でした。殆ど寝たきりなのでテレビを見ることが多いです。



NHKBS放送では山の番組が何本も放送されてました。訪問看護とリハビリが入っていた時間を除いて5本も見てしまいました。
何本見ても飽きないです。

山には夫々個性があり、季節や天候などによって色んな表情を見せてくれます。


北アルプスの山を何時間もかけて樹林帯の中を登りきり、森林限界に出て視界がパっと開けた時の感動が忘れられません。

そこにはお花畑があり、風雪に耐えて健気に咲いている高山植物を見ると愛おしさを感じ勇気を与えてくれます。



また、ノコギリの歯のような形をした痩せ尾根を乗り越えた時には達成感を凄く感じました。



山頂直下の山小屋から夕日が沈むのを見た時は、グラデーションがとても美しく神秘的で宇宙にいるような感じでした。
夜は風が強く冷たかったですが、満天の星に囲まれ天の川が見えた時は感激しました。


他にも一面に広がる雲海を眺めたり、台風が過ぎ去った翌朝にブロッケン現象を見たり、雨天の中で雷鳥に出会ったり、都会暮らししか知らないわたしには山は別世界でした。




山登りは楽しいことばかりではありません。
縦走中に悪天候で登頂を断念せざるを得ないこともありました。また、頂上に着いても濃い霧に覆われ、眺望を楽しめずに下山したこともありました。




しかしながら、そんな状況下でも新たな発見があり、次回以降の山登りに活かすことができました。




深田久弥、田中澄江が随筆で発表した百名山、花の百名山には合わせて20座以上登りましたが、実際に登ってみて名峰に相応しい山でした。
勿論、選ばれなかった山にも素敵な山があります。


定年退職したら、身体を鍛えなおして百名山50座登頂を目標に掲げてました。


確定診断を受けた7ヶ月前に上肢に違和感を感じてましたが、五十肩かもしれないので整形外科へ通えば治ると思ってました。その間毎年受診している人間ドックは異常がなく健康には自信を持っていました。



まさか不治の難病ALSを発症するとは⁉ 告知を受けた皆さんはそう思っています。


原因不明の難病ALSは突発的に起きた交通事故のようなものなので、誰にでも降りかかる病気なのです。



人生なんてわからないものですね。自然災害や新型コロナ感染で突然命を落とす人もいますので何が起きるかわかりません。
だから健康な人も今を大切に生きてください。



山登りはもう二度とできませんが、大自然の素晴らしさ、人との出会いの楽しさを堪能できました。懐かしい時代に想いを馳せた一日でした。







最後までお読みいただきありがとうございました。

悲しい事件

ALS患者さんの安楽死事件が起きたことは同じ患者としてとても悲しい気持ちです。

亡くなられた方は視線入力で意思伝達ができてSNSもやられてたので、ALSについて様々な情報を入手されていたのではと推測します。悩み抜いた末の結論だったのでしょう。


私も気管切開して声を失いましたが、意思が上手く伝わらないもどかしさや人の手を借りての排泄、外出も中々できなく辛いことばかりです。

まして一人暮らしならどんなにか辛かったことと思います。

しかしながら、患者さんによっては人工呼吸器を着けながら講演活動をして活躍されている方も多くいらっしゃいます。船後さんのように参議院議員になられてる方もいらっしゃいます。


私は逞しく生きている方々の投稿を読むとALSと闘っているのは自分だけじゃない。もっと頑張らないとと励まされます。





先日は65歳の誕生日でした。


訪問入浴様からです。真心がこもってます。


Mさんから送られてきました。



ケーキを食べられませんし、いつもと変わらないベッドで寝たままでしたが、親友からのお祝いメールやプレゼントに感動し、元気が湧いてきました。






尊い命を救う方法はなかったのでしょうか。
亡くなられた方へ心からご冥福をお祈りいたします。


今回のような悲しい事件が起きない社会になってほしいと切に願っています。







最後までお読みいただきありがとうございました。

悲しい気持ち

6/9から6/18まで入院しました。




病棟の中庭には花壇があり、昨年は入院した時に何度も散歩しました。今回の入院でもとても楽しみにしていました。




ところが、まったくの予想外でした。
頸椎が弱いので危険との理由で、立位での車椅子移乗が入院中も在宅に戻ってからも禁止と言われたのです。


一瞬耳を疑いました。家を出る時もヘルパーさん2名の介助で当たり前のように立位で車椅子へ移乗してきたのに、突然言われても受け入れることができません。


歩ける足なのに立位を止めさせることによって歩けなくなる。


求めている生活が次々と奪われていく悲しみで眠れませんでした。





先生へ先輩患者さんが立位で移乗されているYouTubeをお見せしたり、人工呼吸器用コルセット、移動ボードなども提案しましたが認められず、横になったまま2名で抱きかかえて移乗する方法を勧められました。
看護師さんもリハビリスタッフも抱きかかえるのに慣れているので安全とのことです。




この他に仰臥位を続けるのは背中に痰が溜まりやすく胸郭も硬くなりやすいので、1日30分位側臥位の姿勢をとったり、車椅子にもできれば毎日座れると良いと仰いました。


しかし、在宅では看護師さんにもリハビリスタッフにも、車椅子移乗を介助してもらったことがありません。
先生が指示されたとおりに在宅でできるのだろうかと考えるととても不安です。

体制づくりと廃用性症候群の防止と課題が多いですが、医療・介護スタッフさんの協力を得て療養生活が良い方向へ行ってくれないと先生からの指示が絵に描いた餅に終わってしまう。

そうならないように願っています。



今回の入院は気管切開した穴が陥没し広がってしまったのを診てもらうのが目的でしたが、異常がなく、コロナ禍で不足していた気管カニューレも8週間ぶりに交換できました。






入院しなければ、車椅子への立位での移乗は今も続けていたのにと思うと気持ちを簡単に切り替えられるものではありません。


しかしながら、そんな辛い時も看護師さんには明るく接していただき心が癒されました。


退院の時に通路から中庭の花壇が見えましたが、あいにくの雨天だったので看護師さんが写真を撮ってきてくださいました。





また戻ってくるのでよろしくお願いしますと言って病院を後にしました。








最後までお読みいただきありがとうございました。