難病ALSと闘う inayan777のブログ

私は現在ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病と闘っています。この難病は10万人に1人と言われる原因不明の神経性難病です。今から100年以上も昔に発見された病気ですが、現在の医学では治すことができないのです。症状の進行は驚くほど速く、発症して1年3ヵ月後に胃瘻を造設して、その4ヶ月後には両肩関節機能全廃となり、身体障害者手帳3級(現在1級)になりました。介護認定も行っており要介護5になりました。このブログでは発症してから現在までの経緯や日々進行していく身体の変化、日常生活の様子、現在感じていることなどをご紹介していきたいと考えています。私は同じような難病や病気と闘っていらっしゃる方々と共にこの難病と闘い、絶対に乗り越えていこうと思います。また、この難病に少しでも関心をもってくださっている方々からもアクセスしていただければ大歓迎です。日々進行していく病気との闘いとの恐怖の中で、心だけは絶対に負けないように生きていこうと思います。ともにがんばっていきましょう!!

我が家の秋

まもなく12月ですが、我が家の紅葉はこれからです。



1週間前はかえでの葉っぱが半分くらいしか赤く染まってませんでした。




日の当たるところは紅く染まるのが早いですが、日陰の方がまだ黄色です。



紅葉するまでの色づきの変化を観るのも楽しみです。





どうだんつつじが色づきはじめました。



黄色や黄緑に色づいた葉は2週間位で紅色に染まっていきます。
これからが見頃です。




鉢に落葉した色とりどりの葉が浮かんでるのを観るのもいいものです。





庭の隅っこに南天の実をみつけました。





あと2週間経てば多くの葉っぱが落葉しますが、冬の花ツバキの季節がやってきます。つぼみが膨らんできました。



一輪見つけました。

我が家の庭ではこの時期から来年春にかけてツバキが花を咲かせてくれます。




新緑の時期も紅葉の時期も好きです。
秋の自然を楽しんでます。
ALSになって体が不自由になっても、自然に触れて感動する心は変わりません。






最後までお読みいただきありがとうございました。

愛車を処分して5年が経ちました

愛車を処分して5年が経ちました。

1人でドライブで遠出してご当地の料理を食べるのが、定年後の楽しみでした。


運転席で音楽を聴きコーヒーを飲みながら、美しい大自然の景色を眺める非日常体験が大好きです。





わたしの場合は右腕、右肩から症状が出てましたが、ALSの診断を受けた頃はまだ運転ができました。


ところが、進行が早く数ヶ月後にはハンドルを切ると右肩がかなり痛くなってました。

右手も上がりにくくなり、運転開始でハンドルを握る時は右膝を上げて右手をハンドルまで運んでました。



その年の秋に胃瘻造設手術を受けましたが、10日後には奇麗な紅葉を観たくて中央高速道路をとばして長野県北八ヶ岳までドライブしました。


蓼科からメルヘン街道を通って麦草峠まで行く途中、紅葉の名所に立ち寄りました。




錦秋の時期に高原を旅行したことが殆どなかったので、とても奇麗な紅葉に感激しました。


写真中央の山は南アルプス北岳(国内標高2位)と間ノ岳(国内標高3位)です。




風が冷たく青く澄み切った空に紅葉が映えてとても奇麗でした。





高速道路を走ったのはこのドライブが最後となりました。

その後は1ヶ月に1回程度通院時に運転してましたが、翌年春には両手が上がらなく運転できなくなりました。




妻も娘もペーパードライバーで運転する気はないので手放すしかなかったのですが、その後も車庫に置いたまま数ヶ月が経ち、車検が近づいたので処分しました。


走行距離は4万キロでその内の7割が通勤で走った距離でした。
まだ新しかったのでとても残念でした。

しかし、これから闘病生活を乗り越えていくにはもっと辛いことが沢山あると考え、気持ちを切り替えました。


あの日から5年が経ち、食べられなくなり、気管切開手術をして人工呼吸器をつけ、声を失い、立ち上がることもできなくなりました。





今振り返ると障害の進行は予想していたよりも緩やかだったと思います。

唾液吸引チューブを24時間くわえ、人工呼吸器を着けて、1日20回以上の痰吸引があります。声が出せない。排泄も訪問看護師さんやヘルパーさんのお世話になってます。


診断を受けた時は人工呼吸器を着けた生活を想像するのが恐ろしくて、そこまでして生きたくないと思ってました。

しかし、人間いつかは死ぬのが分かっていても、この世から自分という存在が消えてしまうのが恐ろしくズルズル来てしまいました。

辛いことが多いですが、友人からのエールや新しい出会いなど多くの方々に助けられて幸せだと思っています。



今は両足で文字入力できることが精神的な支えとなっています。




前を向いて進むだけです。
まだまだ心は折れてません。
頑張ります。







最後までお読みいただきありがとうございました。

11月の散歩

今月2度目の散歩をしました。
自宅の近くを30分~40分程度ですが、季節の移り変わりを肌で感じ、生きているのを実感できて幸せです。




11月後半なのに暖かく直射日光を浴びると目を開けていられなく、顔が火傷しそうでした。
外気に触れることが少ないので皮膚が弱くなっているようです。





銀杏が紅葉し始めてます。
これからが楽しみです。





桜の葉っぱが散り始めると寂しさを感じます。





この木はわたしが幼い頃からありました。




毎年芽を出し、新緑、紅葉、落葉を繰り返し大きくなっていく。
生命力は凄いと思います😲





色とりどりの落ち葉を観てきれいだと感じました。


自宅近くの公園ですが、この時期に1度も訪れたことがありませんでした。





ALSを発症しても車椅子に乗る前は県内の観光名所へ紅葉を観に行ってましたが、障害が進行し、人工呼吸器や唾液吸引器が常時必要になるとヘルパーさんを2名確保しないと外出ができなくなりました。




ヘルパーさんを2名長時間確保するのが難しいので、短い時間で自宅近辺の散歩になりますが、今まで興味がなかった場所に目を向けると新しい発見がありました。





今は殆ど寝たまま過ごしてますが、車椅子に乗っていると寝たきりには絶対にならないと気持ちが前向きになれます。
ヘルパーさんに感謝です。







最後までお読みいただきありがとうございました。

胃瘻カテーテル交換は今回も順調です

11月5日に6ヶ月と18日ぶりに胃瘻カテーテルを交換しました。


わたしはALSと診断されるまで胃瘻を知りませんでした。ご存知でない方はイラストをご覧ください。







写真中央が注入口です。






胃瘻カテーテル交換前の準備です。
胃瘻部の上に置いてある白い物がこれから交換する胃瘻カテーテルです。





始まりました。





こんなに長いワイヤーが使われているとは今まで知りませんでした。




胃瘻カテーテルの交換が終わりました。真っ白だった胃瘻カテーテルは6ヶ月経つと汚れで随分変わるものですね。





胃瘻カテーテル交換は数分で終わります。
胃瘻造設をしようか悩んでいらっしゃる方が気になるのは痛みの程度になるかと思います。

私は4ヶ所の病院でお世話になりましたが、痛みの度合は医師によって差がありました。
痛みを感じるのは胃瘻カテーテルを抜く時と新しい胃瘻カテーテルをはめ込む時です。
痛いのはほんの一瞬です。2~3秒程度です。



交換後は出血が少しだけありますが、2時間後には新しく交換した胃瘻カテーテルから栄養を入れてます。
胃瘻にはバルーン型とバンパー型があり、わたしはバンパー型です。




この日は午後1時半に交換したので、朝食と昼食抜きでした。
リハビリが終わった4時に野菜ジュースを入れ、続けてラコール200ccを注入しました。



夜食は400kcalを入れて通常の量に戻りました。満腹感が十分得られてます。




人工呼吸器を装着しても口から食べられる患者さんもいますが、わたしは嚥下障害の進行が早く4年位前から全く食べられなくなりました。


食べる楽しみが生きる楽しみになっているALS患者さんもいらっしゃいますので、人によって症状が様々ですね。



毎日の栄養はラコール(リキッドと半固形の2種類)とエンシュアーHをお腹の調子に合わせて分量を調整してます。
この他に水分補給として野菜ジュース、白湯に最近味噌汁も入れて健康を維持できてます。
ALSで筋肉が蝕められてますが、内臓は健康なのです。
胃瘻からの経管栄養が命をつないでくれているのは凄いことだと思います。



ALSを発症して生死を分ける決断は気管切開と人工呼吸器装着であり、胃瘻造設は通過点でした。


手術は口から内視鏡を入れるため発症後早い段階で行いましたが、しばらくは普通に食事ができました。


呑み込みが悪化するまでは経管栄養を入れながら、口からも美味しいものを食べて味を楽しむ期間もありました。





手術は20分程度ですが、その間は麻酔で眠れるので恐怖は全くありません。
手術後の痛みは手術当日はありましたが、苦痛はそれ程感じませんでした。




胃瘻は命をつなぐ大切な身体の一部と考えてます。








最後までお読みいただきありがとうございました。

ALS関連放送番組のお知らせです

先週末に退院しました。
妻は気分転換ができて体調も少し良くなったとのことで、予定より早い退院となりました。



入院中はリハビリ時間にヘルパーさんがいたら二人揃うので、マッサージの代わりに車椅子移乗ができないかお願いしました。

ずっと寝たままは辛いし、体幹が弱ってしまうのが恐ろしいので、せめて1週間で1回でもと思ってましたが認められませんでした。


半月以上一度も身体を起こさなかったのは初めてでした。

入院中リハビリで関節拘縮や筋肉萎縮を抑える効果はありましたが、ヒップリフトをしてなかったのでお尻が上がりにくくなりました。

今日はヘルパーさんの介助で久しぶりに端座位をとりましたが、予想していた通り体幹が弱ってました。

ALSは筋力を奪っていくので元に戻すのは難しいです。



退院の日が来て17日ぶりに車椅子移乗し介護タクシーに乗りました。


久しぶりに外気に触れることができたのが嬉しかったです。
入院した時と比べると肌寒く秋の深まりを感じました。





やっぱり在宅がいいですね。

入院中は病院の都合に合わせるので、身体のリズムの変化や不自由がありましたが、在宅生活のパターンに戻れるのが嬉しいです。






入院中はテレビが正面に置けなかったので見てませんでした。

NHK大河ドラマや連ドラをまた見ることができるのも楽しみです。


また、入院期間中に録画していた番組もあります。



今日は10月14日に放送されたNHKクローズアップ現代(ALS当事者の声)を見ました。


今年7月の京都ALS患者殺人事件で亡くなられた女性の苦しみをどう受け止めればいいのか。
人工呼吸器を選択したALS患者当事者さんの生活が紹介され、人工呼吸器を選択する患者が3割しかいない現状、重度訪問介護という制度がありながら活かされていない問題点にも踏み込んだ内容でした。

ゲスト出演の川口さんがALS患者が人工呼吸器を選択し生きていける環境を造っていくには何が必要なのか、我々患者の気持ちを代弁してくださり、構成もとても良かったと思います。


なお、NHK 放送Eテレ(ハートネットテレビ20時放送)でも、本日11月3日、4日と連続で関連番組が放送されます。3日放送は間に合いませんね。お知らせが遅くなり申し訳ありません。
御覧になれなかった場合は再放送(来週10日、11日13時05分放送)があります。






ALSについては身内や知人が発症しているとかでないと、関心を寄せていただくのが難しいと思いますが、少しでも多くの人々に知っていただき治療開発が進むことを切に願ってます。







最後までお読みいただきありがとうございました。